迫真の演技力、パリの詐欺師 4
翌朝、約束の場で待てど暮らせどフランス人は来なかった。
あせったA君、そのダイヤを宝石商へもっていき、鑑定を頼むとまったくのガラス玉であった。
「いまでも信じられませんよ。
あの二人がグルだったなんて。
それにしても迫真の演技だったなあ。
またヨーロッパのどこかで働かねばなりません」と、A君は何度も、大きくため息をつくのであった。
不幸なことに、A君はたまたま英語とフランス語が少々できた。
言葉がまったくわからない人だったら、サギ師たちも技のかけようがない。
その意味で外国語のできない人はおおいに自信をもっていい。
それにしても「あなたは日本人だから信用します・・・」という我が大和民族の自尊心をくすぐるあたり、相手は役者が一枚上だなあ。
絶句!